ぴーちくぱーちく

うるさーーーい!

せっかく生まれてきたのに君と同じ楽しみができない

アンテナをビンビンに張り巡らせて面白いことを察知し続けて、なにひとつ取りこぼすことなくキャッチしたい。自分が面白いと思わないことすらも興味がある。自分が面白くないと感じるのと同じぐらいに、人が面白いと感じていることは事実だ。そこにはロジックがあり「趣味じゃない」とか言って切り捨ててさえしまわなければ、道は続いている。ものには面白がりかたがあり、ルールを知らないと楽しめない遊びが多い。例えばTVのバラエティ番組は、芸能人のモノマネとか、ゴシップをネタにしたいじり芸とか、そういう内輪ネタが溢れている。学校でクラスメイト同士が先生の悪口を言ったり、誰と誰が付き合ってるとかを冷やかしているのと同じだ。そのクラスに属していないと通じない類の笑いである。他人からしたらクソ面白くない話だが、サークルの大きさやディレクトリが違うだけで、すべての笑いは同じ構造にある。理解することから笑いは始まる。趣味だとか、センスだとか、方向性が問題になるのは理解したあとであり、理解する前から否定するのは脳死である。食べ物の好き嫌いが多いと、人生を損しているような気分になるだろう。嫌いなものが少なく、なんでも美味しく食べられたらどんなに食事が楽しいだろう。

小説を読んで作者の訴えたいテーマを読み解きたい。
映画を見て一番美しいと思うシーンを一生覚えていたい。
音楽を聞いてメロディと歌詞のハーモニーを感じたい。
連載マンガを読んで伏線をきちんと見つけ今後の展開を予想したい。
アニメを見て作画や演出を語りたい。
カッコいい服を着て髪型を合わせたり上下のバランスを考えたい。
雑誌を見てエディトリアルデザインを美しいと思いたい。
スポーツ選手のプレイを見て感動したい。
旅行に出かけてもういちど来たいと思える景色を見たい。
ビールを飲んで産地や銘柄から味の違いを比べたい。

僕が面白いと思うことを、君にも面白いと思ってもらいたい。